Kチェア
日本のリビングを変えたロングセラーソファ
「ソファといえばKチェア」
そう答える人がいても不思議ではないほど、Kチェアは日本のリビング文化を支えてきました。
誕生は1962年。60年以上の時を経ても、ほとんどデザインを変えることなく作り続けられているロングセラーです。
なぜこの一脚は、時代を超えて愛され続けるのでしょうか。そこには、日本の暮らしに寄り添い続けてきたKチェアならではの理由があります。
誕生の背景 ─ 日本の家に合うソファを
デザインの特徴 ─ シンプルで、普遍的
暮らしの中のKチェア ─ 家族と共に歩むソファ
職人技 ─ シンプルの裏に隠れた精巧さ
時代を超える理由 ─ 普通であることの強さ
alboの視点 ─ 思い出を残す器として

誕生の背景 ─ 日本の家に合うソファを
戦後の日本は、畳の和室でちゃぶ台を囲む暮らしから、フローリングにソファとテーブルを置く「洋風リビング」へと大きく変わろうとしていました。
当時の輸入ソファは大きく、重く、日本の住宅事情には合いませんでした。
そんな時代に「日本の家に合うソファを作りたい」という想いから生まれたのが、カリモク家具のKチェアです。
木製のフレームに薄めのクッションを合わせた軽やかなデザインは、日本の住宅にフィットするだけでなく、移動や模様替えもしやすい。結果として「暮らしの中で無理なく使えるソファ」として多くの家庭に受け入れられました。

デザインの特徴 ─ シンプルで、普遍的
Kチェアの魅力は、そのシンプルさにあります。
木製フレームは細身で軽やか。和室にも洋室にも似合うバランスのよさが特徴です。
直線的なラインの中に、肘掛けの丸みや背もたれの角度など、人がくつろぐための細やかな工夫が隠されています。
また、コンパクトでありながら座り心地はしっかり。1人掛けから2人掛けまで展開され、家族構成やライフスタイルに合わせて選べるのも長く支持されてきた理由のひとつです。
さらに、張地は交換可能。長年使っても張り替えてリフレッシュできる仕組みは、「修理しながら長く使える家具」を大切にするカリモクの思想を象徴しています。

暮らしの中のKチェア ─ 家族と共に歩むソファ
Kチェアは、単なる家具ではありません。
暮らしの中で、さまざまなシーンに寄り添ってきました。
- 家族が集まる場所に
テレビの前でお菓子を食べながら笑う子どもたち。休日の午後、家族で映画を観る時間。Kチェアはいつもそこにあります。 - 一人暮らしのスタートに
手頃なサイズと価格で、新生活を始める人の最初のソファとして選ばれることも多い家具。Kチェアと共に過ごした学生時代や独身時代の記憶は、その後も懐かしく心に残ります。 - 世代を超えて
親から子へと受け継がれ、張り替えをしながら使い続けられる。木のフレームに刻まれた小さな傷は、家族の時間の証。Kチェアは思い出を背負いながら次の世代に繋がっていきます。

職人技 ─ シンプルの裏に隠れた精巧さ
一見シンプルな構造に見えるKチェアですが、その裏側には高度な木工技術があります。
フレームは細身ながら頑丈で、背もたれや座面の角度は人間工学に基づいて調整されています。木の温かみを残しながらも、直線的でモダンな印象を与えるラインは、熟練の職人によって正確に加工されて初めて実現するものです。
さらに、張地のステッチやボタン留めも丁寧な仕上げが求められます。日常的に座り、動き、使い続ける家具だからこそ、見えない部分の耐久性が重視されています。

時代を超える理由 ─ 普通であることの強さ
Kチェアは、インテリアの流行がどれだけ変わっても色褪せません。
それは「普通であることの強さ」を持っているからです。
北欧家具やミッドセンチュリーの家具と並べても違和感がなく、和室に置いても調和する。目立ちすぎず、しかし確かに空間を整えてくれる存在感。
「主役ではないけれど、いなければ困る家具」──それがKチェアです。
人の暮らしを引き立て、背景となり、長く愛され続ける理由はそこにあります。

alboの視点 ─ 思い出を残す器として
alboは「家具は人生の1ページを残す器である」と考えています。
Kチェアは、その考えを体現するソファです。
小さな子どもが飛び跳ねた日、友人が集まって夜遅くまで語り合った日、夫婦で静かに座った日──そんな記憶の数々がKチェアには刻まれていきます。
修理や張り替えをしながら世代を超えて受け継がれるその姿は、まさに「思い出と共に生きる家具」。
alboが大切にしている価値観を、多くの家庭で自然に実現してきた存在なのです。

まとめ ─ これからも、日本の暮らしと共に
Kチェアは、1962年から今日まで、日本のリビングに寄り添い続けてきました。
変わらないデザインは、ただの「古さ」ではなく「普遍性」として輝き続けています。
暮らしがどれだけ変わっても、人が家でくつろぐ時間の大切さは変わりません。
Kチェアはこれからも、その時間を支える「日常の舞台」としてあり続けるでしょう。
alboとしても、このソファを紹介できることは誇りです。
家具がただのモノではなく、家族の思い出を刻む器であることを、Kチェアは教えてくれます。
画像引用元:カリモク木工60公式サイト(https://www.karimoku60.com/)

