alboオーナー宮本の、とある一日

朝9時。少し早めに事務所に入ると、まずはコーヒーを淹れてパソコンを開く。メーカーさんから届いているメールを一通ずつ確認し、納期や木材の状態、仕上げの方法などを整理していきます。ディレクターと今日の予定をすり合わせながら、「どうすればこの家具をお客様に一番良い形で届けられるか」を話し合う。そんな時間が、一日のスタートです。

午前中は、モデルルームに向けた3Dデータの最終チェック。光の差し込み方や椅子の配置を画面上で調整しては、頭の中で暮らしの風景を描いてみます。「ここに家族が座ったら、どんな景色が見えるだろう」「子どもが走り回る声が、この部屋には似合うだろうか」
ただ家具を置くだけではなく、その先にある暮らしを思い浮かべながらの作業です。

昼は軽く食事を済ませたあと、つくっている資料を見直します。見せ方ひとつで家具の印象は大きく変わります。写真や文章に「温度」を込められるかどうかで、お客様に届く思いが違ってくる。そのことを痛感するので、細部まで手を止められません。

午後はモデルハウスへの搬入作業。大きな家具を運び込み、配置を決めていく。汗をかきながらも、窓から差し込む光にテーブルの木目が浮かび上がる瞬間に立ち会うと、不思議と疲れが消えていきます。「ここから、この家族の思い出が始まるんだ」──そう思うと、家具が単なる“モノ”ではなく、“記憶の器”に変わる瞬間に立ち会えたような気がします。

夜。事務所に戻り、ディレクターと一日の振り返りをします。「家具は売るためのものではなく、思い出を届けるもの」。この言葉を繰り返し胸に刻みながら、明日の準備を整えて一日を締めくくりました。
──alboの日々は、特別なことがあるわけではありません。けれど、一つひとつの仕事の先にあるお客様の暮らしを想像し、そこに思い出が積み重なることを願う。その積み重ねこそが、alboらしい「日常」なのだと思います。
