Akari-光の彫刻-
夕方、外の光が少しずつ沈みはじめるころ。
部屋の中で最初に灯るのは、蛍光灯でもシーリングライトでもなく、
Noguchi の「Akari(あかり)」であってほしい。
スイッチを入れた瞬間、光が“照らす”というよりも、“呼吸をはじめる”。
まるで、空間がゆっくりと目を覚ますように。
「光」を彫刻した人
イサム・ノグチは、石や金属と同じように「光」を素材とした。
それは、手で触れることのできない彫刻。
けれど、空間に形を与え、暮らす人の心に陰影を残す。
1951年、岐阜の提灯職人たちと出会い生まれた「Akari Light Sculptures」。
竹ひごと和紙という素朴な素材から、世界に通じるデザインが生まれた。
その原点には、“光のある暮らし”を再び人の手の中に取り戻すという想いがあった。

惹かれる理由
alboは、この灯りを“家具の一部”として見ている。
ただの照明ではなく、「暮らしの気配を包み込む器」。
家具が家族の時間を支える“舞台”だとすれば、
Akari はその舞台をやさしく照らす“月明かり”のような存在。
昼の光では見えない、家族の表情や空気のやわらかさを
静かに映し出してくれる。
天然素材に囲まれた空間にAkariをひとつ置くだけで、
木の質感が温もりを帯び、壁の影がゆっくりと揺れだす。
alboの家具が大切にしている“時間の余白”が、そこに生まれる。
光とともに暮らす時間
たとえば夜、子どもが眠ったあとの静かなリビング。
Akariの光が部屋の隅にぼんやりと灯っている。
その光の中で、夫婦が小さく会話を交わす。
声を潜めるように、時間を味わう。
何も特別なことは起きていないけれど、
その瞬間の空気が、ゆっくりと記憶に刻まれていく。
alboは、そんな“何気ない時間が美しく見える暮らし”を
提案したいと思っている。
Akari のやさしい光は、
家族の時間を映すための、最も静かな「スクリーン」だ。
イサム・ノグチは、「私の照明は、光の彫刻だ」と語りました。
けれど、それは遠い美術館の中にあるものではなく、
人の暮らしの中に置かれてこそ、完成する彫刻。
光の強さではなく、心の距離を照らすような灯り。
そんな“あかり”の在り方に、alboは深く共感しています。
家具と灯り。そのあいだに流れる時間までデザインしたい──
それが、私たちの願いです。

