家具が泡に包まれる日 ~ソープ仕上げの特徴と洗い方~ | albo(アルボ)

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家具が泡に包まれる日 ~ソープ仕上げの特徴と洗い方~

#Yチェア#ぺーパーコード#カール・ハンセン&サン#ソープフィニッシュ#北欧#家具メンテナンス

北欧家具で多く用いられる「ソープフィニッシュ(ソープ仕上げ)」。
ソープフィニッシュとは、木材に石けん水を塗り込んで、水や汚れなどから保護する役割があります。

特にデンマーク製に多く使われてきた伝統的な仕上げの技法です。

一般的に木製品は最終工程で「オイル」や「ウレタン」などを塗り込むことで、乾燥から守ったりや汚れにくくするといった効果をもたらせてくれます。


ソープ仕上げの特徴

質感

自然な風合いを残したマットな質感。
“木”本来の柔らかな肌触りです。

見た目

色は白っぽくなります。
ナチュラルな色を際立たせるので「oak (オーク) 」や「beech (ビーチ) 」と相性が良いです。

メンテナンス

比較的簡単です。
定期的に石けん水で拭くことで、保護膜が再形成されます。

保護力

一般的な「オイル」や「ウレタン」よりは弱く、シミや汚れはつきやすい。
一方で、木の表面をサンディング(削る)したり、塗装がしやすい。

環境性

自然素材の石けんを使うため、安全で環境にも優しい。

なぜ北欧家具で採用されているのか

まず北欧とは一般的にデンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、アイスランドを差します。

1900年代後半のデンマークで、無垢材の床の変色を防ぐため、石けん水で洗うようになり、その方法が家具にも定着したといわれています。

石けんの脂肪分を木に染み渡らせることで、木の風合いを保ちつつ、汚れもつきにくくなります。

こまめにメンテナンスをすることで、汚れも落としやすくなりますし、木材もより美しく保護されます。


ソープフィニッシュのメンテナンス方法

①石けん水を準備する

お湯を溜めた洗面器に石けんを溶かして泡立てます。
※約1リットルのお湯に30g~50gの石けんを混ぜる。
(私はいつもて固形石けんをカッターナイフで削ぎ落しています。)
お湯が完全に白濁して、とろみのあるミルク上の液体になれば完成。

市販のおすすめ石けん例:
・シャボン玉石けん(無添加)
・牛乳石鹸 赤箱(青箱より赤箱のほうが無香料に近い)
・ミヨシ 無添加白い石けん

②洗う

泡立てた石けん水をスポンジに取り、木を洗います。
スポンジは食器洗い用のスポンジなどで構いません。
木目に沿って、ムラのないように撫でていきます。

③拭き取る

木に残った石けん水を乾いた布で拭き取る。
拭き残しは割れやシミの原因にもなるため、しっかりと拭き取ります。


④乾燥

しっかりと拭き終えたら、直射日光の当たらない風通しの良い場所で、1日自然乾燥させる。


⑤研磨

乾燥後に表面の毛羽立ちを、目の細かいサンドペーパーで軽く研磨して、木埃り(きぼこり)を取り除けば完了です。
あまり強く研磨すると、コーティングが剥がれてしまいます。
※サンドペーパーは400番以上のものがおすすめ

手触りがさらさらになれば完了です!



家具を大切にするデンマーク人のライフスタイル

日本と比べて長く寒さの厳しいデンマークの冬、1年の3分の1は雨か雪です。
真冬の日照時間はとても短く、日差しはとても貴重。

そんなデンマークでは「HYGGE(ヒュッゲ)」という 概念があります。
さまざまな意味合いが込められており

”厳しい冬を、大切な人と幸せな雰囲気で楽しむ”

という願いから生まれた言葉かもしれません。

多くの時間を家で過ごすため、快適で上質な家具を揃えて生活を楽しみます。

上質な家具をメンテナンスしながら長く使う。

そして、それを親から子・・・子から孫・・・と受け継がれていく姿を想像する。

奥ゆかしくて素敵な文化ですね。

インテリアに携わる者として、デンマークの人々の家具を愛する素敵な文化がもっと日本にも広まればいいなと感じています。


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