alboオーナー宮本の、とある一日 | albo(アルボ)

albo Library

家具と暮らしの物語がそっと並ぶ場所

Column / コラム

alboオーナー宮本の、とある一日

朝9時。少し早めに事務所に入ると、まずはコーヒーを淹れてパソコンを開く。メーカーさんから届いているメールを一通ずつ確認し、納期や木材の状態、仕上げの方法などを整理していきます。ディレクターと今日の予定をすり合わせながら、「どうすればこの家具をお客様に一番良い形で届けられるか」を話し合う。そんな時間が、一日のスタートです。

午前中は、モデルルームに向けた3Dデータの最終チェック。光の差し込み方や椅子の配置を画面上で調整しては、頭の中で暮らしの風景を描いてみます。「ここに家族が座ったら、どんな景色が見えるだろう」「子どもが走り回る声が、この部屋には似合うだろうか」

ただ家具を置くだけではなく、その先にある暮らしを思い浮かべながらの作業です。

昼は軽く食事を済ませたあと、つくっている資料を見直します。見せ方ひとつで家具の印象は大きく変わります。写真や文章に「温度」を込められるかどうかで、お客様に届く思いが違ってくる。そのことを痛感するので、細部まで手を止められません。

午後はモデルハウスへの搬入作業。大きな家具を運び込み、配置を決めていく。汗をかきながらも、窓から差し込む光にテーブルの木目が浮かび上がる瞬間に立ち会うと、不思議と疲れが消えていきます。「ここから、この家族の思い出が始まるんだ」──そう思うと、家具が単なる“モノ”ではなく、“記憶の器”に変わる瞬間に立ち会えたような気がします。

夜。事務所に戻り、ディレクターと一日の振り返りをします。「家具は売るためのものではなく、思い出を届けるもの」。この言葉を繰り返し胸に刻みながら、明日の準備を整えて一日を締めくくりました。

──alboの日々は、特別なことがあるわけではありません。けれど、一つひとつの仕事の先にあるお客様の暮らしを想像し、そこに思い出が積み重なることを願う。その積み重ねこそが、alboらしい「日常」なのだと思います。

この記事の著者

宮本 翔伍

1991年1月生まれ。株式会社albo代表。
家具を売るだけでなく、その向こうの時間に寄り添いたくて、2025年春に独立しました。約11年間、販売の現場で見てきたたくさんの暮らしが、今の自分の土台です。
同じ想いを持つ仲間と始めたばかりの小さなブランド”albo”。
まだ店舗はありませんが、いつか誰かの「はじまりの場所」のそばにいられる家具を販売していきたいと思っています。

コメントは受け付けていません。

プライバシーポリシー / 特定商取引法に基づく表記

Copyright © 2025 albo inc. All Rights Reserved.

CLOSE