今回のお客様は、30代半ばのご夫婦と5歳のお子さま。
ご夫婦は共働きで、奥さまは在宅ワークを中心にされており、リビングが日中の仕事場にもなっています。落ち着いて集中できる一方で、気持ちを切り替えてリラックスできる空間が必要でした。
また、ご主人はイギリス文化がお好きで、ロンドン旅行で感じたカフェの雰囲気やクラシックな街並みを日常に取り入れたいと希望されました。
「家族そろって映画を観る」「ゆったりと食卓を囲む」など、家族時間を大切にすることも大きなテーマでした。
ダイニング
大理石調の丸テーブルを中心に配置しました。丸い形は家族の視線が自然と合うため、会話が弾みやすく、日常の食事から週末の映画鑑賞後の語らいまで、家族の団らんを育みます。さらに、ロンドンのクラシックホテルを思わせるような質感を持たせ、特別な時間を感じられる場にしました。
そのテーブルの上には真鍮のペンダントライトを。あえて温かみのある光を選ぶことで、昼は明るく開放的に、夜はしっとりと落ち着いた雰囲気を演出します。イギリスのカフェで味わったあの心地よさを、自宅にいながら再現できるようにしました。

チェア
椅子は木の質感を活かしたナチュラルなデザインを選びました。重厚なクラシックチェアではなく、細身で軽やかなスタイルにすることで、生活動線を邪魔せず、毎日の使いやすさを重視。色味はあえて控えめにし、ダイニングテーブルの上品さを引き立てながら、全体を柔らかい印象にまとめました。
ご夫婦が求められていた「イギリスらしい落ち着き」と「暮らしに溶け込む軽やかさ」を両立させた選択です。

ソファ
窓辺には深いブルーのカウチソファを配置しました。奥さまが在宅ワークの合間にほっと一息つける場所であり、お子さまが遊び場として使える余白もあるデザインです。夜には家族で映画を観ながらくつろぐシアタースポットへと変わります。
ブルーという色はロンドンの街並みにも多く見られる色合いで、空間全体を引き締めつつ、アクセントとして働きます。家具そのものが「日常の舞台」となり、時間帯やシーンに応じて多彩な表情を見せる存在です。

アートと装飾
壁にはロンドンの街並みや旅行で撮影された写真をアートとして飾りました。思い出を日常に重ねることで、暮らしそのものがアルバムの1ページとなります。アートは空間に深みを加え、在宅ワーク中の奥さまにとっても気分転換になる役割を果たします。
さらに観葉植物を要所に置き、硬質な素材感に自然のやわらかさをプラスしました。都会的なマンションの中でも、緑のリズムが心を落ち着け、子どもにも優しい空気を生み出しています。

今回のコーディネートは、お客様の「イギリスの空気を日常に感じたい」という憧れと、「家族の時間を大切にしたい」「在宅ワークにも寄り添ってほしい」という実生活のニーズを、家具選びを通してかたちにしたものです。
alboはヒアリングで伺った想いを一つひとつ丁寧に受け取り、家具を“置くもの”ではなく“家族の記憶を支える器”として提案します。今回完成したリビングダイニングは、その象徴のような空間となりました。
