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交換できる家具は長生きする

長持ちのコツは“全部を替えない”こと。消耗しやすい部分だけを計画的に交換できれば、本体は思い出ごと生き延びます。

パーツを替えて、思い出を育てる暮らし

家具と聞くと、多くの人が「大きくて重く、一度買ったら動かせないもの」という印象を持ちます。
けれど、実は家具にも“寿命”があります。木材がすり減ったり、布が汚れたり、部品が壊れたり。
そのとき、多くの人は「そろそろ買い替え時かな」と思ってしまうものです。

でも本当にそれしか方法はないのでしょうか。
実は、家具の中には“交換できる部分”を持つことで、ずっと長く使い続けられるものがあるのです。


1. 「部分交換」という考え方

たとえばソファ。座面のクッションだけがへたってしまっても、本体はまだしっかりしていることがあります。
そんな時、座面部分だけを交換できるソファなら、また新品のような座り心地を取り戻せます。

ダイニングチェアの座面張り替えも同じです。お気に入りのフレームはそのままに、布地だけを新しくすることで、雰囲気もガラッと変わります。
これなら、思い出の詰まった家具を手放す必要はありません。


2. 長く使える家具は、愛着も深まる

家具は、時間とともに家族の記憶を刻んでいきます。
ダイニングテーブルの天板についた小さな傷も、子どもが描いた絵の色移りも、その家の歴史の一部。

交換できる家具は、こうした「思い出の本体」を残しながら、不便や古さだけを取り除いてくれます。
結果として、家具は家族と一緒に“年を重ねる”存在になります。


3. 環境にもやさしい選択

丸ごと捨てずに一部分だけを交換することは、環境負荷の軽減にもつながります。
まだ使える部分を活かすことで廃棄物を減らし、新しい資源の消費を抑えられます。

最近では、メーカーが公式にパーツ販売をしている家具も増えてきました。
クッション、カバー、脚、引き出しの取っ手など、小さなパーツから天板まで。
こうした「交換前提の家具」は、持続可能な暮らしを支える選択肢になっています。


4. コスト面でも賢い

丸ごと買い替えるより、部分交換はずっと経済的です。
ソファ本体が10万円でも、クッションだけなら数千円から数万円で交換できます。
その差額で他の家具や雑貨をアップデートすることも可能です。

長く使える家具を選ぶことは、結果的にコストパフォーマンスの高い買い物にもなります。


5. alboが大切にしていること

私たちalboでは“長生きする家具”をお客様に提案する際、まず「交換が可能かどうか」を確認します。
例えば天然木のテーブルなら天板の削り直しや再塗装ができるか。
布張りソファならカバーやクッションが取り外せるか。
それらを見極めて、「この家具は一緒に歳をとれます」と自信を持っておすすめしています。

家具を長く使うことは、単にモノを節約するだけではありません。
それは、お客様が過ごしてきた時間や思い出を守ることでもあります。


6. これから家具を選ぶ人へ

家具を選ぶとき、デザインや価格だけでなく「交換できる部分があるか」をぜひ見てみてください。
将来、生活が変わったときや部品が傷んだときに、その家具をまた使い続けられるかどうか。
それは買うときにはあまり意識しないかもしれませんが、10年後のあなたにとって大きな違いになります。


お客様のエピソード

alboの顧客様のお話です。
結婚当初に買ったオーク無垢材のダイニングテーブル。
小さな頃から息子さんがそこで宿題をし、奥さんはパンをこね、家族で季節ごとの食卓を囲んできました。

しかし、ある日ご主人が「最近、表面の汚れや凹みが気になる」と相談に来られました。
「新しいのに買い替えようかと思って…」という言葉に、私は天板の再研磨をご提案しました。

数週間後、削り直して再塗装した天板は、木目が再び美しく浮かび上がり、光を柔らかく反射していました。
お渡しの時、奥さんがそっと天板を撫でながらこう言いました。
「この傷の下には、あの日の笑い声があるんですよね。捨てなくてよかった。」

終わりに

家具は、ただのインテリアではなく、人生の景色を彩るパートナーです。
交換できる家具は、その景色を長く保ち、これからの時間も一緒に歩んでくれます。

あなたの家にも、ずっと残しておきたい家具はありませんか。
それを手放す前に、まずは「交換」という選択肢を思い出してみてください。
きっと、その家具はまだまだ長生きできるはずです。

この記事の著者

宮本 翔伍

1991年1月生まれ。株式会社albo代表。
家具を売るだけでなく、その向こうの時間に寄り添いたくて、2025年春に独立しました。約11年間、販売の現場で見てきたたくさんの暮らしが、今の自分の土台です。
同じ想いを持つ仲間と始めたばかりの小さなブランド”albo”。
まだ店舗はありませんが、いつか誰かの「はじまりの場所」のそばにいられる家具を販売していきたいと思っています。

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