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天然素材と暮らすメリット──木・石・革がくれる安心感

家の中に置く家具を選ぶとき、デザインや価格に目が行きがちです。

けれど、その家具にどんな素材が使われているかは、暮らしの心地よさを大きく左右します。

私たちが大切にしているのは「天然素材」。木や石、革といった自然から生まれた素材は、ただ空間を飾るためのものではなく、毎日の暮らしに安心感と豊かさをもたらしてくれる存在です。


木が伝える「ぬくもり」と「時間の記憶」

木の家具に触れたとき、どこかほっとした気持ちになるのはなぜでしょうか。

天然木には、人の肌と同じように水分を吸ったり吐いたりする「呼吸」があります。その呼吸が、季節の移ろいや室内の環境と自然に調和し、心地よい空気をつくり出してくれるのです。

また、無垢材のテーブルに刻まれる小さな傷や色の変化は「劣化」ではなく「経年美化」。

家族が使い続けることで、表面の艶や風合いが深まり、一つとして同じもののない“思い出のページ”が積み重なっていきます。

木の家具は、ただの道具ではなく「家族の歴史を映す舞台」そのものなのです。


石がもたらす「静けさ」と「確かさ」

大理石や御影石、セラミックなどの石材は、空間に重厚感と落ち着きを与えてくれます。自然が何万年という時間をかけてつくり上げた模様は、人工的には再現できない唯一無二の表情。そのひとつひとつの柄に、大地の記憶が宿っています。

リビングに置かれた石の天板テーブルに触れると、ひんやりとした感触とともに、不思議な安心感が広がる。そこには「変わらないもの」と暮らす喜びがあります。

石は硬くて冷たい素材ですが、だからこそ「確かさ」を感じさせます。


革が育てる「味わい」と「心地よさ」

ソファやチェアに使われる革は、天然素材の中でも特に「人の生活に寄り添う」素材です。

新品のときは張りのある表情を見せ、使い込むほどにしなやかさと艶を増していく。日々の触れ合いが革を育て、唯一無二の味わいを生み出します。

また、革は温度を感じやすく、冬の冷たい朝には体温であたたまり、夏にはさらりとした質感に変わります。その変化はまるで呼吸をしているかのよう。革に身をあずけるとき、人は自然と安心し、心をほどくことができるのです。


天然素材がくれる「安心感」

現代の家具には、加工素材や樹脂、プリント化粧板なども多く使われています。もちろん実用的で、コストを抑えることもできます。けれど、それらは時間を経ても表情が変わらず、暮らしの記憶を刻んでくれません。

天然素材の魅力は「不完全さ」と「変化」にあります。木目が少し曲がっていたり、石の模様に偶然の揺らぎがあったり、革の表面に細かなシワが浮かんだり。その個性こそが、私たちに「生きているものと一緒に暮らしている」という安心感を与えてくれるのです。


思い出を重ねていくために

家具は、ただそこにあるだけで暮らしを支える存在です。

ですが天然素材の家具は、それ以上の意味を持ちます。

子どもが描いたクレヨンの跡、夫婦で囲んだ食卓の傷、休日の朝に触れたひんやりとした石の感触。そうした小さな出来事が積み重なり、やがて「思い出」という宝物になります。

木も、石も、革も、どれも自然からの贈り物。長い時間をかけて育まれた素材と暮らすことは、家族の時間をゆっくりと刻み、毎日の安心をそっと支えてくれることにつながります。

だから私たちは、天然素材にこだわります。
それは「家具を選ぶこと」が、「思い出を大切にすること」につながっていると信じているからです。

この記事の著者

宮本 翔伍

1991年1月生まれ。株式会社albo代表。
家具を売るだけでなく、その向こうの時間に寄り添いたくて、2025年春に独立しました。約11年間、販売の現場で見てきたたくさんの暮らしが、今の自分の土台です。
同じ想いを持つ仲間と始めたばかりの小さなブランド”albo”。
まだ店舗はありませんが、いつか誰かの「はじまりの場所」のそばにいられる家具を販売していきたいと思っています。

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